ゲームプラン、あるいは出口戦略を持つこと
なんとかランク5には到達できた。…けどMech Mageではどうしてもランク6-7付近で止まってしまったので、最後はAggro Paladinで上げた。他にもLiquid HearthのMeta Report上位だったMidrange DruidやTempo Mageも試したけど、大体Mech Mageよりも勝率は下だった。
もちろんプレイングミスもあったが、それを差し引いてもメタ的には下位のはずのAggro Paladinより勝てなかったのか。これについて自分なりに考えていたこととよく似たことを先の日本大会優勝者Knoさんがインタビューで語っていた。
――ところで、『Hearthstone』で強いプレイヤーはどこが違うのでしょうか?
Kno: 誰かが以前「強い人とそうでない人の違いは、ゲームプランを持っているかどうかだ」と言っていたことがあります。「1つの盤面を見ての最善手」は誰でも考えられるのですが、終始「この方法で勝つ」というプランを持って戦える人はなかなかいません。違いはそこでしょう。
ゲームプラン、あるいは最終的にどうやって勝つか、をちゃんとイメージして、そこからトップダウンで今の行動を決める。可能な選択肢が2つあり、その場での最善手が選択肢Aであっても、デッキの勝利プランにより適しているのは選択肢Bである場合、後者を選んだ方が勝率は上がるだろう。Aggroの勝利プランは誰が相手でもひたすら顔を殴るという本当にシンプルなものだからゲームプランに沿う行動をとり続けるのは簡単だけど、Midrangeのデッキになると途端にそこがぼやける。しかも相手によって勝利プランが変化することもままあるので、更に難しくなり、結局一貫した行動をとれなかったのが勝率が低かった要因だろう。
以前、ひとくち新聞でkoronekoさんが質問者にかなり辛辣な解答をしていたが、それも似たような話だった。そこだけ引用すると
【A】質問に "相変わらず勝てません。今日も3勝12敗でした。未だにPatronの強さが分かりません。ここまでくると根本的な考え方が間違っているのかと思います。" とありましたが、"適当に低コストミニオンをキープするくらいです。"ということは、"根本的な考え方" 以前に "考えていない"です。何に対して何をしたいかをちゃんと考えてください。
「ひとくち新聞」9/5号
めっちゃ切れてる。最初読んだ時はひでえなと思ったけど、koronekoさんにとっては、”特に何も考えず漫然と行動を決める”というのは有り得ないので、ここまで苛立ったのだろう。「何に対して何をしたいか」というのはある程度ミクロな話だけど、やっぱり自分がとる行動がより大きな文脈に適ったものなのかどうか、を問題にしている点は同じだ。
ゲームを始めた頃は、カード揃えてプロと同じデッキをつくって、カードやデッキの種類覚えて、最善手を選び続ければ勝てるだろう、ぐらいに思ってたけど、これは完全に間違いだったことがわかった。いやはやLegendaryまでの道は遠い。
ちゃんと目的を持って指しても、最初はなかなか思うようにいかないと思います。(中略)でも、それでいいんです。大事なことは目的を持って指す、ということです。目的を持っているということは、少なくとも「何をどう指せばいいか分からない」は抜け出している証拠です。ただ漠然と駒を動かしているだけでは上達できませんし、何より将棋を楽しく感じられないでしょう。まずは失敗を恐れずに、自分なりの目的を持って、一手一手指してみることが大切です。
自分なりに目的を持つ。それで失敗したり、うまくいかなかったら、それを改善するために修正を加える。この繰り返しはとても力になります。
『羽生善治のみるみる強くなる将棋序盤の指し方入門』20-21頁
三田紀房『インベスターZ』2巻
羽生善治のみるみる強くなる将棋 序盤の指し方 入門 (池田書店 羽生善治の将棋シリーズ)
- 作者: 羽生善治
- 出版社/メーカー: 池田書店
- 発売日: 2009/12/01
- メディア: 単行本
- 購入: 8人 クリック: 77回
- この商品を含むブログ (15件) を見る